10月22日に、10月例会を開催しました。

 まず、小泉さんによる『資本論』第5回学習講座「労働日」の項を提起してもらい、討論となりました。

 

 小泉さんの提起は、9月29日の「朝日新聞」朝刊に「病院へ行けぬ生徒」「格差拡大 健康まで」との見出しで掲載された、北海道立高校の養護教諭の話、10月4日のNHKスペシャル「セーフティネット・クライシス しのびよる貧困 子供を救えるか」で放送された、貧困のため食事もとれない、病気になっても病院にも行けない子どもたちの話、その映像を見ながら山井厚生労働大臣政務官、ローソン社長・新浪、貧困ネット事務局長・湯浅誠の3人が話し合う番組の中でも明らかとなった失業と貧困、それに対する鳩山政権の政策がいかにインチキで問題を解決しないどころか悪化させるものであるかということから始まりました。

さらに、『資本論』第8章「労働日」の解説が行われました。人間の労働力の価値は、人間が生きていく上で必要な生活手段を生産するためにかかる労働時間によって規定されるとした上で、いったい一日の労働時間のうち、労働者の生活にとってどれだけが必要な労働で、それを超える分を資本家が取り分とするか、と問題を立てます。一日に必要な労働時間が4時間だとすると1日8時間働く場合、4時間は必要な労働、4時間は不払い労働=資本家のために働く労働時間ということになり、搾取率=剰余価値率は100%です。労働によって生産されたものの半分を自分のために半分を支配者のためにという関係は封建制社会と同じくらいの搾取率で、資本主義社会の初期はそんなものだった。この労働時間の延長をめぐる攻防は資本と労働者の歴史的攻防であり、長い間闘われてきたし、資本主義を転覆するまでは続く闘いとなる。「資本はすでに死んだ労働であって、この労働は吸血鬼のようにただ生きている労働の吸収によってのみ活気づき、それを吸収すればするほどますます活気づく」(『資本論』第2分冊12頁 大月書店)関係です。

小泉さんは、新自由主義というのは無制限・無制約で資本が労働者から搾取をすることを自由に行わせろということだ。これが資本主義の本質であり、新自由主義なのだ。この新自由主義に節度や理性を求めてなどと資本に哀願を求めるあり方が間違いなのだとして、以下のように結論付けました。

『資本論』に描かれている事実は決して過去のものではない。過労死、年間の自殺者が10年連続で3万人を超え、精神的・肉体的に病気になり職場に行けなくなっている労働者も沢山いる。大量の派遣切り、ワーキングプア状態は『資本論』に描かれた工場法以前の状態よりもすさまじい。少なくとも当時は剰余価値率=搾取率は100%か110~120%だ。現在は700%とも800%ともいわれている。こんな資本主義は1日も早く打倒しなければならない!

そのために、11・1に労働者1万人が集まることが社会を変えることとなる。11・1に参加しようと提起をまとめました。 

討論では、生活保護を受けてもぎりぎりの生活でしかない現状に対する怒りが次々と出されるとともに、「どうしたら社会を変えられるのか」、「湯浅さんの派遣村には世話になったがあれはあれでいいのでは」といった率直な意見が出され、みんなで討論しました。

湯浅誠氏も政府の国家戦略会議に参加することとなった鳩山政権が今やろうとしていることは、結局生きていく上で最低限のわずかばかりの金で救ってやる、ほどこしてやる(それでも年間3万人以上が自殺に追い込まれている)ことで、ぎりぎりのところに叩き込まれている労働者の怒りをだまくらかして、今の資本主義社会を維持しようとしていることが明らかになっていきました。『資本論』でいう「搾取率」とは労働者からどれだけ絞り取るのかということであり、今はそれが700~800%にもなっているということは本来なら労働者は少なくとも今の7倍、8倍の賃金分の生産をしているということであり、資本家に搾り取られることがなくなったら(=資本主義を倒して労働者の社会にしたら)ずっといい暮らしが出来るようになるということ。湯浅氏の言う「セーフティネット」とは、労働者を永久に奴隷としてしばりつけておくための涙金を渡してだまそうとするもの。ふざけるんじゃない! そもそも全部が労働者から絞り取ったものではないか。それをさらに増税して絞り取ろうなんて、ほんとにとんでもないことだ。

 だんだん、みんなの怒りがかきたてられ、11・1労働者1万人結集は、これからの闘いの出発点。そこから労働者の反乱が始まるのだ。だから11・1にあつまって社会をひっくり返そう、となりました。 

 実際、埼玉ユニオンによる日研総業との団交では、これまで住み続けてきた寮から11月で出てくれと会社側は通告してきたとのこと。11月から年末・年始にかけて、08~09年をも超える大変な「生きさせろ!」の闘いとなります。ほんとに労働者が一つになって社会を変える、そのための出発点として11・1に1万人の軍勢を登場させる。まさにこれです。労働者は救済の対象じゃない。闘って自らの解放をかちとる誇り高い労働者だ。派遣村を契機に集まった私たち東生き連は、湯浅氏のように資本に取り込まれるのではなく、国鉄1047名解雇撤回、派遣法撤廃、非正規雇用撤廃を求め、労働者を賃金奴隷として縛りつけ搾取し続ける資本主義の打倒と労働者が主人公となる社会をかちとるために断固闘う。東生き連はいっそう団結して闘っていきましょう!
 
 次回、11月例会は、11月26日(木)19時から武蔵関・北部ユニオンにて、となりました。11・1の総括の上に、年末・年始に向かう重要な会議となります。多くのみなさんの参加をお願いします。

 『資本論』第5回講座のレジュメは、以下からダウンロードできます。

http://www.geocities.jp/toukyoujititaifairu/Word/091022dk.doc