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2009年日誌 |
4.21日比谷野音へ、チラシを2万枚まきました! 作成日時 : 2009/04/19 14:24 |
とめよう戦争への道!百万人署名運動 のブログから転載 |
「裁判員制度はいらない!大運動」が呼びかける4.21全国集会が近づきました。東京では4月1日からキャラバンカーを走らせ、各地で4.21チラシとリーフをまいて、集会への参加を呼びかけてきました。何と!昨日までにまいたチラシは2万枚。 多くの人が今、裁判員制度について真剣に考えています。問題あり!と気づいた人が廃止を!と声をあげ始めています。これこそ、「司法への市民参加」ではないでしょうか。国会で決まったからといって、やれるかやれないかは、労働者市民しだい、なのです。「現代の赤紙」と言える裁判員制度をストップさせ、改憲阻止、戦争阻止の力をつくりましょう。みなさん、4.21日比谷野音に集まりましょう! 【裁判員制度実施反対!全国集会&銀座デモ】 とき: 4月21日(火)午後6時開場、6時30分~集会、8時デモ出発 ところ: 日比谷野外音楽堂(地下鉄丸の内線「霞ヶ関」B2出口すぐ) 主催: 裁判員制度はいらない!大運動(tel.03-3348-5162) 東京キャラバンの続報です。 |
■16日(木) 千代田区、中央区を回る。まずは近くの水道橋駅前。続いて再び東京地裁前。ビラの受け取りは上り調子だが、「賛成だ」と言い切る弁護士や通行人も。分岐してきた。 午後はお茶の水駅。いつもの西口は他団体が使用していたので、東口(聖橋口)に。「裁判員制度はいらない!大運動」の街宣と合流。武内弁護士がマイクを握ると、署名机に次々と人が止まった。 |
夕方はJP銀座局前で。隣は朝日新聞本社。退勤の労働者が次々とビラを受け取り、署名に応じてくれた |
■17日(金) この日は、三多摩地域へと遠出し、三鷹市、八王子市を回った。JR三鷹駅北口でノボリ旗を立てて第一声、まもなく、「おかしいと思っていたけれど、こういう宣伝隊を見るのは初めてだ」とうれしそうに署名机に近づいてくる男性がいた。また「自分は裁判が開かれたものになっていいと思っていたが、考え直してみる」とチラシを受け取りにくる人もいた。 |
八王子では途中で労組回りもした。N労組では組合の機関紙ですでに裁判員制度について取り上げられていて、「裁判員制度は労組の団結を破壊するものだ」と話が盛り上がった。 JR八王子駅北口では、東急スクエアの前で宣伝。仕事の面接の帰りだという若者や、宣伝カーのアピール聞いて質問をしてくる若者たちとのトークが熱烈になされた。ある若い女性は「21日に都内へ行くので、デモに行ってみる」と言っていた。年輩の女性は「昔はよくデモに行ったわ」と懐かしそうだった。アッという間に高山本が3冊続けて売れて、みんな本当はどういう制度なのか知りたがっているんだと感じた。 |
■18日(土) 練馬区、豊島区を回る。まず、「オープンスペース街」の皆さんの拠点、武蔵関駅。子供達も加わって大勢でビラまき、町内を練り歩き、ポスティング。 |
詳しくは、→http://musashiseki.web.fc2.com/2009yd.4.6.html |
お昼時間は石神井公園駅。ここでは署名机に列ができた。続いて石神井公園をキャラバンカーで回り、池でつりをしている人、ボートを漕いでいる人などにご挨拶。 |
さらに、西武練馬駅、目白駅で街宣。ビラの受け取りは良く、「自分はまだ賛成だが…」と言いながら、高山さんの本を買っていく人もいた |
目白駅の前は学習院大学です。 この日までで、このキャラバン活動だけで2万枚のビラをまいた! |
4月20日(月) |
ジェコーで第2波スト、7時間半の職場占拠・座り込み貫徹 |
92名の期間従業員解雇に反対して闘っているJAM神奈川ジェコー労働組合は、3月24日の第1波ストにつづき、4月17日昼から組合員による五月雨的ストに突入した。ストの最大拠点である行田本社工場では、16時、昼からストに入った川崎事業所の4名の組合員もかけつける中、本社工場でストに入った期間従業員組合員2名と支援が合流。解雇の白紙撤回までとことん闘うことを確認し、本社工場内に突入、7時間半の職場占拠を闘いぬいた。(写真は阻止線を突破して2階ロビーに迫る組合員と支援共闘会議の仲間たち) 直前通告のためか、第1波スト時とはうってかわって、通用門周辺はいつもと変わった様子はない。警備のガードマンが増員されているだけである。トラメガで叫びながら、組合員と支援共闘会議の労働者20名弱が行田本社工場内に突入。総務建屋の2階にあるロビーに向かう。入り口のガラス戸にガードマンが立ちはだかるが、T組合員先頭にあっというまに突破。建屋の中に入り、2階ロビーに迫る。あわてて駆けつけた職制数人が2階への階段途中で阻止線を張るが、「じゃますんな。Hを出せ!」という激しい弾劾になすすべなく、組合員たちは一気に総務部屋前の2階ロビーに殺到。一帯を完全に占拠した。 「首切りの責任者、H常務出てこい!」の激しい弾劾に、飛び出すように常務が出てきて「業務妨害だ! 警察を呼ぶぞ」と真っ青になって叫ぶ。「呼べよ。ジェコーがやってきたことが暴露されて恥をかくだけだ。さあ、呼べよ」と迫る組合員に、H常務が「警察に電話してくれ」と部下に指示する。ところがH常務がうろうろ、きょろきょろ、窓の方に駆け寄ってみても待てど暮らせどパトカーは来ない。当たり前だ! 新聞報道も含めてジェコーで争議が発生していることが知れ渡っている中で、民事不介入が原則の中、警察は電話要請を受けても動きはしない。 警察権力の介入のみにすがっている資本はそれで骨が折れた。日頃尊大な態度の労務担当常務がこれほどうろたえ、動転している姿はなかった。それを見て労働者はますます元気になる。「H常務、あんたは年間いくらもらってるんだ! 首切りを言うならそれを吐き出してからが筋だろう!」「あんたは私たちの名前を知っているのか! 言ってみろよ! 派遣さんとしかいわないだろう! 名前も覚えるつもりがないんだろうが! それが人間のすることか!」。それまでおとなしかった労働者から、同じ人物かと思うほど激しい弾劾の声が次々に飛ぶ。ますます常務がうろたえ、「私一人では決められない。社長と相談させてくれ」と泣きっ面で答える。 こうして緒戦の攻防は組合側が圧勝。とりわけ「物言わぬ」組合員がせきを切ったように次々と会社を弾劾する状況は実に感動的だった。昨日までおとなしかった労働者が今日は闘いの先頭にたつ。労働者は闘いの中で変わる。そのことに一番驚愕し、動転したのはジェコー資本であったにちがいない。 それから深夜0時30分までロビーの職場占拠座り込みが闘いぬかれた。21時過ぎからの執行部と被解雇者の計6名と会社側との団体交渉は、文字通りのバトルであった。職場占拠中の7時間半、ロビーや正門、通用門には60名近い職制と一部正社員が「警備」動員。文字通り職場は「止まって」しまった! ストによってと同時に、スト対策動員で職場は完全に停止したのだ! 会社が要求を呑まないなら、この職場占拠を何回でも叩きつけてやる! それで会社は回るのか! まさにそうした闘いの段階に入った。座り込みシットインの威力はすごい! 4月25日の契約満期による雇い止めを目前にしてつばぜり合いがさらに激しく続く。次は、へろへろになった会社側が設定した22日の団体交渉で、さらに追い詰める闘いだ。JAM神奈川ジェコー労働組合と支援する仲間たちは、解雇撤回、非正規職撤廃までどこまでも闘いぬく決意だ。(埼玉・支援・K) |
京大で入管集会を350名でぶち抜く! |
4月19日京都大学で「全世界の労働者は団結しよう!」をメインスローガンに据えて、国際的団結の力で資本主義を打倒する闘いの一環として入管集会が勝ち取られました。今、全世界で資本主義に対する労働者の反乱が始まっています。今回の集会はまさに、革命情勢のもとで、韓国・民主労総をはじめ、新自由主義に抗し、代案社会=プロレタリア革命を目指す集会としてありました。 基調報告で、今日は1960年4・19革命の49年目に当たる歴史的な日であること。4・19革命の精神は今日、労働者の革命の事業として脈々と受け継がれていることが提起されました。 そう、今私たちは、新たな歴史の扉を開く千載一遇のチャンスを手にしています。「万国の労働者は団結せよ!」の呼びかけが、労働者の団結した力を爆発させ資本主義を最終的に打倒する段階に来ていることを、今日の集会を通じて具体的に実感しました。「労働者の団結した力はすごい! 労働者は国境を越えて団結して社会を変える力を持っている! このすごさに自信を持とう」 動労千葉の田中康宏委員長はこう断言しています。 3・25反動判決で日帝はすべての労働運動を押しつぶそうとしていますが、私たちがこの確信を持つならば、資本主義もそれを擁護する連合・全労連の体制内労組指導部もぶっ飛ばすことができる。改めて動労千葉のように闘うことが、分断を打ち破り、団結を取り戻すことができる、そのことが国際的に認知され、国際的広がりを持つ集会として実感できました。 民主労総の仲間、クルド人の仲間をはじめ滞日外国人と私たちが「労働者階級はひとつ」として団結した集会として大成功しました。この力を破綻した新自由主義にぶつけよう! そして時代は確実に世革革命へと動いています。職場の闘いと繋がりながら・・。(京都・K) |
(写真上:登壇した民主労総の労働者) (写真下:強制執行と闘い抜いた西郡の人々) |
2月26日の森本政二さんへの住宅追い出し強制執行に対し、八尾北労組のストを軸に労働者の団結で実力阻止闘争を打ち抜き、「生きさせろ!ゼネスト」へ進撃する大阪・西郡で、さらに闘いは前進している。4月17日、大阪地裁第25民事部(稻葉重子裁判長)で行われた「差押え弾劾裁判」で、地裁と八尾市住宅管理課への生存をかけた根底的な怒りがたたきつけられた。「われわれは勝った!住管と地区協を絶対に許さない!私はこれからもこの村で労働者の団結に生きる!」と勝ちどきを上げた森本さんの決起が拡大しているのだ。 |
八尾市は"見返り"と引き換えに地区協議会=解同本部派を手先にして、応能応益家賃制度(住宅民営化=住民追い出し)の導入を強行し、10年で1000人をムラから追い出した。さらに家賃を供託して絶対反対で闘う全国連西郡支部員の預金通帳や年金・給与の差し押さえまで強行した。 負けてたまるか! 「差押え弾劾裁判」は、差し押さえられた供託者が八尾市を提訴した裁判だ。 4回目の裁判になるこの日、なんと八尾市住宅管理課5人が被告・田中八尾市長の代理人として弁護団のあとにくっついて被告席に座るではないか。3月13日の「明け渡し弾劾裁判」のときは姿も見せられなかった住管に傍聴団の怒りが爆発した。「何しに来た!出て行け!」の声が飛ぶ。5人はうつむき青ざめ気もそぞろだ。 「原告本人から意見陳述を」と裁判長に指名されたOさんが立ち上がった。「ヨッシャ!」「がんばれ!」の声援に手を挙げて応えるOさんは、やる気満々で余裕すら感じさせる。法廷中に響きわたる声で陳述が始まった。生い立ちにつづいて部落差別と闘い青年部として狭山闘争に決起してきた自身の歴史を振り返りった上で、「介護ヘルパーとして派遣会社で働いています。仕事が毎日あるわけではなく,生活はまったく安定しません。現在母親と一緒に生活していますが,家賃を家族の総収入で決める応能応益家賃制度では,家賃があまりにも高くなってしまいます。住民を追い出し、家族と一緒に住めなくさせる応能応益には絶対反対です」ときっぱり。傍聴席の「そのとおり!」の声に、裁判長は「静かに!」と抑えようとするがまったく無駄な試みだ。Oさんは続けた。「森本さんへの住宅明け渡し強制執行は、私たち供託者にとって他人事ではありません。また,世界大恐慌を口実に職を奪われ,住むところまでも奪われている全国の労働者にとってもやはり他人ごとではありません。ストライキで決起した八尾北医療センター労組,『命と健康を守る会』,そして全国から労働者が西郡に集まり,森本さんと団結して,この不当な強制執行を実力阻止するたたかいを闘いぬきました。この請求異議が認められなければ,八尾市は次に私たちを住宅から追い出すのは明白です。居住する権利という生活基盤をかけた闘いだ」と力強く言い切ると、われるような拍手が起こった。完全に法廷を圧倒したぞ! これが階級裁判だ! 西郡住宅闘争の爆発と発展を誰よりも恐れているのは国家権力だ。法廷の外に廷吏を5人も配置する異例の厳戒態勢をとった。しかし、そんなことでわれわれの闘いを抑え込むことなどできない。6000万労働者の怒りの先頭で、国鉄決戦勝利、道州制・民営化団結破壊と闘う全国連西郡支部と八尾北労組、八尾北命と健康を守る会は、この日ともに公判闘争を闘いぬいた全国連杉並支部、品川支部、労働者、闘う議員の階級的団結をいっそう強めた。応能応益=住宅民営化に屈服し、西郡闘争を破壊する全国連本部の敵対を許さず、4・19関西入管交流集会、4・25尼崎現地闘争を成功させ、5・23狭山闘争に立ち上がろう。(八尾北医療センター労組員) |
England: Sit-in by parts plants workers of Ford against layoff |
フォードの英部品工場で労働者が実力占拠闘争に突入 |
フォードのイギリス工場で労働者の怒りの決起が爆発した。2000年にフォードから部品工場としてスピンオフ(資本分離の子会社化)した英ヴィスティオン社は、北アイルランドのベルファスト、ロンドン東方のバジルドン、ロンドン市内のインフィールドの、3つの工場の約600人をレイオフ(解雇)した。それに対して労働者たちは工場占拠闘争に突入した。 (写真上はインフィールドの工場、写真下はバジルドンの工場で決起した労働者たち) 労働者たちは、会社の施設売却を阻止するため、4月1日から1週間の工場占拠闘争(シットイン)で対抗。その結果、経営を交渉のテーブルにつかせる高裁決定を引き出し、いったんその工場占拠を解いた。そして、4月9日から24時間のピケットを張りながら交渉を続けてきたが、4月15日でその交渉も決裂した。フォードは「ヴィスティオンの労働者とは雇用関係はなく、2000年の協約に基づき責任以上のことをやっているつもりだ」と述べている。しかし1時間の猶予もないレイオフ通告に対し、労働者の怒りは激しい。労働者たちは一斉に「30年間も働いて年金なしなのか!」「俺たちを職場に戻せ!」「9年前の分離時には、賃金・労働条件は保障され、労働者は希望する条件のもとで退職できるという協約だったではないか!」と心の底から憤激の声をあげた。 ヴィスティオン経営の自宅に対する闘争も始まり、イースター(復活祭)週末の4月12日にはフォードのショールームにピケが張られ、新たな工場占拠がベルファストのフィナジー工場で始まった。ヴィスティオンのUNITE労組は、米オーナー会社の解決金(解雇手当)16週分の提案を「はした金」として拒否した。 米ビッグスリーの破滅的危機は世界をめぐり、世界大恐慌下の労働者の闘いに次々と火をつけている。(K・Y) |
フランス トヨタで工場占拠闘争 |
仏トヨタ工場、従業員が占拠 一時帰休の支給額増額求める 【パリ=古谷茂久】トヨタ自動車のオナン工場(フランス北部)で17日、一時帰休時の待遇改善を求める従業員が工場を占拠し、自動車の生産が止まった。新車販売の落ち込みでフランスでは自動車メーカーの従業員削減や一時帰休が増えており、トラブルが頻発している。 小型車「ヤリス(日本名ヴィッツ)」を生産する同工場は昨年9月から一時帰休を実施。先週からストが続いていたが、16日夜から2700人の従業員のうち約300人が工場入り口を封鎖した。一時帰休時の支給額を現在の基本給の60%から100%に引き上げることなどを要求している。会社側は占拠を解くための仮処分手続きを進めている。 2009/04/19 11:40 【日経】 |
【パリ17日共同】フランス北部バランシエンヌ郊外にあるトヨタ自動車の工場で16日夜、労働組合員が経済危機に伴う一部操業停止で給与が減額されることに抗議してゲートを封鎖、同工場は17日も操業できない状況が続いた。フランス公共ラジオによると、2001年の開設以来、同工場が完全な生産停止に追い込まれたのは初めて。 入り口を封鎖したのは労働総同盟(CGT)の労組員ら約300人。労組側の説明では、今年の年初以降、一部操業停止の期間が計2週間になり、4月の給与が平均で約300ユーロ(約3万9000円)減額されるという。労組側は「世界で最も裕福な企業の1つに、賃金をカットする理由はない」として満額の支給を要求している。 同工場はトヨタが英国に次ぎ欧州で2番目に開設した乗用車工場。従業員は約2700人で、小型車「ヤリス」(日本名ヴィッツ)を生産している。 2009/04/17 22:46 【共同通信】 |
トヨタ系の自動車部品メーカー「ジェコー」 労組が期間工切り反対の第2波ストライキを決行! レーバネット |
会社役員に詰め寄る組合員 |
世界大恐慌がいよいよ本格化 島崎論文 を読みながらインターネット散歩 |
「禁じ手」発動はオバマの墓穴 FRBの国債購入/「粉飾会計」も容認 |
世界大恐慌の震源地であるアメリカ経済は、実体経済でも金融でも一段と深刻な恐慌に陥っている。追い詰められたオバマ政権は3月末から4月初めにかけて、禁じ手の恐慌対策を次々に発動しはじめた。財政赤字の膨張と米国債発行の激増に窮して、FRB=中央銀行が米国債を買い取ることを決めたのだ。また、時価会計を緩和して金融機関が資産評価を勝手にやることを容認し、国家政策として粉飾会計を奨励した。二つの禁じ手を打ったことで、米帝の財政・金融など経済すべてに対する信用はますます崩れ、何よりもドルへの信認は崩壊していく。その意味で米帝オバマのこの恐慌対策は、世界大恐慌がいよいよ本格的に爆発していく画期をなす。(写真 3月19日の全米デモに続き、4月3日にもアメリカの労働者階級・人民は「ウォール街と戦争にこれ以上金をつぎ込むな」「仕事をよこせ」と叫んでニューヨークのウォール街デモに決起した) |
一段と進む住宅バブルの問題! |
まず、住宅バブルの崩壊が一段と進んでいる。主要10都市の1月の住宅価格は前年同月比19・4%下落し、過去最大の下落となった。しかし06年春のピークからの下落率は30・2%にとどまっており、今後まだ何年にもわたって下落しつづけていくのは必至だ。 |
アメリカの住宅価格推移 http://www.garbagenews.net/archives/300815.html |
NewYorkTimesに2006年8月に掲載されたアメリカの住宅価格推移 |
説明によるとYale大学の経済学教授であるRobert
J.Shiller氏が作成したもので、標準的な住宅の販売価格(新築にあらず、インフレ率を考慮)の推移を示しているという。そしてインフレ率を逆算し、1890年時点の住宅価格を100とした場合、どのような推移を見せているのかを表している。 概要的には第一次世界大戦以降「大恐慌時代」まで下落が続き、恐慌時代はむしろ上昇。第二次世界大戦中は当初急落、後急上昇を見せ、ほぼ1890年の水準にまで戻っている。以降1970年・1980年代の住宅バブルとその崩壊を経て、1997年以降の「サブプライムローン・住宅バブル」に行き着いた、という按配。最初のグラフは恐らく、このグラフに現状を追加したものだろう。 さらにこのグラフを基に、今後の動向について過去2回の住宅バブルとその崩壊から予想したのが次の図。【元データはこちら】。【The Financial Ninja】からのものだが、重要と思われる戦後の部分のみを抽出する。 |
上記「アメリカの住宅価格推移」グラフを基にした、今後の住宅価格動向推移 |
概要はグラフ内にも書き込んだが、直近過去二回のバブルとその崩壊の傾向を参考に、今回の超絶住宅バブルがどのあたりで落ち着くのかを推測したもの。グラフ(数字の推移)をベースとして今後を予想する、当方も大好きな手法を用いている。 |
これによると、 |
これは超楽観的な予想だな! 今後まだ何年にもわたって下落しつづけていくのは必至だ。 |
ともあれ、一連の「サブプライムローン(と金融工学の名のもとに世界中にばら撒かれた金融派生商品)による住宅バブルとその崩壊」が、まさに「100年に一度」の規模であったかことが分かる。また、このグラフ通りに推移しているとすれば、住宅価格の下落はすでにピークに達しており、あとはしばらく調整とヨコヨコが続くと考えることもできる。 ちなみにこの超絶バブルを生み出したのは誰か・誰が私服を肥やしたのか、ということになるのだが、元資料や関連記事では諸説入り乱れて、どれが正解というものは特に見つけることが出来なかった。100年規模のチャートで見ても「自然発生的に生み出されたバブル」とは考えにくく、何らの「仕組み」「仕掛け」が必然とされるからだ。 恐らくは「金融工学とそれによって生み出された金融派生商品」、それらを生み出して世にばら撒いた証券銀行など、さらにはそれを是とした政策(担当者)が該当するのではないか、という意見がもっとも多かったことだけを、あえてここに書き記しておく。 |
自動車産業で過剰資本露呈 |
こうした住宅バブル崩壊を機に、実体経済は急降下を続けている。特に個人消費の柱をなす自動車販売台数は、2月には前年同月比41・4%減と、初めて4割を超えて減った。GMの1月初めから2月中旬までの北米での生産台数は、前年同期の3分の1にまで激減している。住宅ローンを借り増して自動車購入など消費に充てる、という従来の消費バブルが崩壊しているのだ。 自動車販売激減で、GMとクライスラーは昨秋から米政府からの融資なしでは存続できなくなった。GMの08年通年の赤字は308・6億㌦(約3兆円)にも上り、08年末の債務超過額は861億㌦(約8・4兆円)にも膨らんだ。実質的には完全に破綻している。米政府は3月末までに、GM・クラスイラーへの追加支援について判断する予定だったが、GMには60日以内の再建計画見直しを求め、クライスラーには30日以内のイタリア・フィアットとの提携合意を求めた。問題の先送りにすぎず、両社が破産法を申請する危機が続いている。 現在の大恐慌の基底をなしているのは過剰資本・過剰生産力状態であるが、それは自動車産業を最大実体としている。米・日・欧すべてがそうだ。アメリカの29年大恐慌も、自動車産業での過剰資本が最大実体だった。米自動車産業は1925年に、米製造業内で生産額、賃金支払い額、付加価値額、原材料費のいずれでも第1位となった。29年大恐慌では、自動車とその関連産業であるタイヤ・鉄鋼・石油などでの過剰生産能力が劇的に露呈した。 第2次大戦後の帝国主義は、このアメリカ的生産力水準を平準化しつつ発展したが、74~75年世界恐慌によって過剰資本状態に陥った。それ以降、IT化などと称しつつも結局は自動車を基軸とし頂点にした生産力水準を超えられないまま、現在の世界大恐慌に突入したのだ。29年大恐慌から80年を経て、またも同じ自動車産業を最大実体にして大恐慌に陥る。資本主義の生命力が完全に失われている、ということではないか! |
大銀行の救済に労働者の怒り |
金融面では、昨秋のリーマン・ブラザーズ破綻以降、大手銀行がますます実質破綻し、米政府が何波にもわたって公的資金の注入を繰り返すという惨状にある。 |
財政規律とドル信認崩壊へ |
このような大恐慌の進展に対して米帝オバマ政権は、ありとあらゆる恐慌対策を講じている。しかし、それが効を奏さないなかで、ついに禁じ手の対策に出はじめた。 |
「有毒証書」は数兆㌦に達する |
もう一つは、4月2日に、米国の会計制度を仕切る米財務会計基準審議会が、金融機関の時価会計を緩めることを決めたことである。金融機関が保有する金融資産について、その評価額を時価ではなく、金融機関の勝手な見積もりで計算していいことにした。粉飾会計を認めるということだ。 |
世界経済は何時回復するか?090228 http://karateodori3.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/090228-0e94.html |
安岡明夫トップページ (真実を報道する日本の報道機関の1つ) -「勝手にパロマを守る会」会長・安岡明夫 ☆☆現在、世界経済不況をどうするかなどを特集中!☆記事「物価を下げるにはこういう方法もある(→Go!)」・「米国経済衰亡の戸端口に当たりこれからどうする(→Go!)」・「世界経済不況に日本はどう対処すべきか(→Go!)」・「景気対策とは何か?(→Go!)」・「勝負の時は今だ! (日本経済への提言)(→Go!)」など。 Stock Watch www.irjapan.net/ 1.今回記事のテーマである「世界経済は何時回復するか」は喫緊の問題になっていると考える。この問題に今回記事は答えを出す。さて、私もこの答えを知りたいし、多くの方も知りたいと考えるはずだ。現在の世界大不況は「百年に1度」と言われている。従って、これまでの経験などの所謂「勘」に基づく諸エコノミストの方々の「あと半年だ」・「否、あと3年だ」と言った予測は全く根拠がないと言わねば成らぬ。正しい回答を得るためには正確な数字による裏づけデータが必要なはずである。その為には先ず、今回の「サブプライム危機」・若しくは「スーパー・バブルの崩壊」により、世界各国はいかほどの損失を蒙ったかを確定(若しくは正確に推定)することが必要だ。注意すべきは、今回危機で金融機関だけが損害を蒙ったのではなく、CDSなどの形で一般企業も広く大損害を蒙ったことだ。 1.処が、米国で危機が表面化してから半年位たつと言うのに、未だに不良債権がどれ程あるかが明らかになっていない。だから世界経済が何時回復するかを誰も確信を持って言えないのだ。このことは、単に何時危機が去るかを推定する上で障害になっているだけでなく、欧米では大企業同士が互いを疑ぐり合って、従って取引がスムーズに進まないための悪循環が発生して更に危機が深まると言う結果を引き起こしている。つまり、不良債権額が確定しないことは2重の意味で世界危機を深める結果となっている。 1*注文を受けて商品を発送した直後に倒産を狙っているのではないかの疑いがあるため注文をとることが出来ない。これは不良債権の直接的影響だ。次に間接的影響だが、今まではクレジット・カードの押し付けでどんどん売っていたのに、今ではあらかじめ確かな金を積んでおかないとカードが使えない(消費がストップ)。 2*何時景気が良くなるか分からないため、何時投資をすれば良いかが分からず、工場も建てられない(投資がストップ)。 1.ならば、不良債権額を明らかにすることはまさに喫緊の課題であるはずだ。処が現在に至るも、次のように言われているのである。 「オバマにとってもう1つの課題は、金融危機の収拾に携わる多くの専門家が金融機関が保有するすべてのトキシック・ペーパーを特定し価値を算定するのは不可能だ、と言いはじめていることだ」(NEWSWEEK日本版090304;p.22)。 ここで、「すべての」と言う言い方がされているのは「100%は無理だが99%は大丈夫だ」と言う意味ではない。また、「大半の不良債権額は確定できる」と言う意味でもない。それなら何の問題もないのであって、わざわざこの様な発言がなされる必要はないし、記事の文脈から言っても辻褄が合わない。つまりこの「多くの専門家」は、「毒を含んだサブプライム債権が何処にどんな風に混ぜ合わされて様々な資産に紛れ込んでいるかは、ほとんどは探り出すことが不可能だ」と言っているのである。そんな話が有るだろうか? 仮にこの話が真実だとしたら、どういうメカニズムによりそうなっているのだろうか?例えばサンプル調査は有効でないのか?全部を調べることが困難な時、その1%をサンプルとして取り出し、そこに含まれる毒が幾らあるか分かれば、全体ではその100倍あるはずだ。そのサンプル調査も有効でないとしたら、サンプルとして取り上げた部分からさえ毒が幾らあるかを知る方法がないことになる。そんな筈は無いから、サンプルから毒素を取り出すためにコストが膨大であると考えるほか無い。つまり、金融工学により、毒と薬を混ぜる方法が余りにもねっとりと分離困難な風に混合されたのだろうか?単に毒と薬を切り刻んで混ぜるのでなく、コンピュータによる限界まで磨り潰して、アナログに混ぜたとすると分離のコストは膨大となり、エントロピー増大の法則を使うことによって分離コストをあらかじめ天文学的な水準にまで設定して置くことは可能だ。先の記事での「多くの専門家」の発言が文字通りに正しいとしたら、そうとでも考えるほか無い。若しくはそれに近い状態なのだろうか? 仮にこれが正しいとしたら、毒と薬を分離することは不可能であり、「トキシック・ペーパーを発見し、価値を測り、さらにその損失を引き受ける・・それをやらなければ・・資本主義が崩壊するかもしれない」(同記事)ことになる。つまり、今回世界危機でサブプライム・ローンは確かに「毒素」と分かった。その為この「毒素」を沢山抱えた会社は左前になった。しかし今後は、その「毒素」が少しでも混ざった金融資産は全体が「毒素」になってしまうわけだ。それどころか、欧米の全ての金融資産が「毒素が混じっているかどうかを知ることが不可能なため」全部毒素になってしまう訳だ。 CDS残高が6千兆円。今回危機での株価を含む金融商品の下落による損失が4千兆円(注)で欧米は破産した。既に当HPで述べたとおり、米国の純国富はマイナスとなったし欧州も似たり寄ったりだろう。その上に、今述べたとおり今後一切欧米の金融資産が「毒素」になってしまうのではきつい事である。これは考えられる限度内で最悪のことではないだろうか? 1.だが本当にそうなのか?もう1つの考え方があり、それは、不良債権額が明らかになると都合が悪いため、様々な事情を上げて調査をサボっていると言う見方だ。それはどういうことだろうか?これも余り筋の良い話ではない。結論を言えば、欧米の会社の抱える金融資産がほとんど不良化しており、大半の会社が実は既に潰れているとしたら、それを明らかにすることは不味いと、様々に理屈をこねて隠そうとする訳だ。だから、「毒素がどれ程混ざっているかを計測することが不可能」なのではなく「余りにも(サブプライム以外にも)毒素が混ざりすぎているため、実態を明らかにしたくない」のではないのか? |
20%超えの地域も! アメリカの失業率現況を図で見てみる http://www.garbagenews.net/archives/393347.html |
今やリセッション(景気後退)真っ盛り、さらには世界の金融危機の引き金をダース単位で引いているアメリカ。そのアメリカにおいて、経済の収縮に伴う雇用不安が加速化されているのはすでに各所で伝えられている通り。【NewYorkTimes】では先日、それがはっきりと分かる図が公開された。ここではその図をもとに、アメリカの雇用情勢についてチェックを入れることにする。 |
アメリカにおける地域別失業率分布(2008年12月時点) |
上のほうに見える「7.1%」という数字は2008年12月時点の全国平均失業率。下に見える「+2.3」は、前年同月比。つまり1年間で失業率が2.3ポイント悪化したことになる。(※米政府発表の3月の失業率は8・5%) 図そのものは色が濃いほど失業率も高いことを示している。色が濃いほど失業率も高くなる。このような図で見ると、西海岸一帯と五大湖周辺の工業地帯が特に失業率が高く、ついで人口密集地帯の東海岸、さらにはその内陸部でも失業率が高めなのが把握できる。 ランキングがないので確認が取れないが、チェックした限りではミシガン州・マキナック郡が一番失業率が高いようだ。その値は実に24.2%。前年比が+6.2なので昨年から雇用不安が続いていたと思われるが、それにしても高すぎる。 |
図では全体的な失業率分布の他に、「都市部限定」「住宅バブルだったところ限定(2000年当時から住宅価格が175%以上上昇した郡)」「都市部以外限定」「工業地帯(売上の25%以上が工業生産によるもの)」の区切りで失業率分布や、その属性に該当する郡の平均失業率を確認することができる(元マップ左側のメニュー「FILTER COUNTIES」から選択)。ちなみにそれぞれの区切りにおける平均失業率は |
「全国平均」……7.1% 「都市部限定」……7.0% 「住宅バブルだったところ限定」……7.4% 「都市部以外限定」……7.6% 「工業地帯」……8.0% |
であり、不動産価格の高騰が結果的にその地域の経済をすり減らした可能性を示唆すると共に、都心部よりも地方、そして工業そのものに深刻な雇用問題が発生していることを表している。なお、財政危機について何度かお伝えしたカリフォルニア州だが、都市部の郡が多いにもかかわらず、他地域と比べて失業率が高いことが確認できる。同州の経済が深刻なダメージを受けていることがあらためて確認できよう。 ちなみに日本の完全失業率は2009年1月において季節調整をした値で4.1%。ただし日本もアメリカも同じILO(国際労働機関)の完全失業率に関する基準(完全失業者は「仕事を持ってない」「今すぐに就業が可能「仕事を探していた」)を適用しているが、アメリカが「失業中だがバイトをして食いつないでいる」場合も失業者としてカウントするのに対し、日本ではカウントしない、日本では就職断念者(就職を一時的にあきらめた人)を計算に含めないなどの違いがある。 ともあれ「アメリカの失業率は日本の2倍近い」と単純に比較することはできない、ということだけは頭に入れておく必要がある。その上で、アメリカの雇用・失業問題が特にどの地域、産業、地域文化に大きな影響を与えているかを見なければならないのだろう。 |
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■関連記事:【アメリカの失業率の動向をグラフ化してみる】 |
山火事のようにじわじわと……アメリカの雇用者数推移をグラフ化 2009年04月19日 http://www.garbagenews.net/archives/608773.html |
先日巡回サイトの一つ【ZAR大好きの忘ビロク2-金鉱株で恐慌突破】で興味深い地図が目に留まった。アメリカの雇用者数の推移をビジュアル・インタラクティブ化したもので、雇用の減退がいちどきにではなく、いくつかの地域からじわじわと、それこそ山火事のように広まっていくようすが分かる。2008年12月単独の失業率については【20%超えの地域も! アメリカの失業率現況を図で見てみる】で西海岸や五大湖・工業地域が際立って高いことが確認できたが、時系列で確認できるのは珍しい。今回はこの図を多方面から見る。 |
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2009年2月、最新データのアメリカ各郡における労働者(職)数。前年同月比でプラスは青・マイナスは赤で表示。円が大きいほどその数字も大きくなることを意味する。 |
おおもとの記事は【Slate Magazine:When Did Your County's Jobs
Disappear?(あなたの地域でどれくらいの職が失われた?)】。アメリカの公務データ【Local Area
Unemployment
Statistics】を元に、各郡(州のひとつ下の行政区分)別における雇用数推移をインタラクティブ・マップ化したものが掲載されている。対象期間は2007年1月から2009年2月で1か月単位。前年同月比における雇用数の推移を表しており、雇用が増えていれば青・減っていれば赤の円が描かれる。そして円の大きさはそれぞれの絶対値を示す。例えば赤い大きな円なら「前年同月と比べて大きく雇用が失われた(働いている人が減った=雇用機会が失われている)」、青い大きな円なら「雇用が大幅に増加した(働いている人が増えた=雇用機会が増加している)」ことを意味する。 注意して欲しいのは、円の大きさは雇用者「数」を示していること。それぞれの郡に対する労働者・労働希望者に対する割合ではなく、失業率とは直結しない。元々人口・求職者と労働者数が多い地域の場合は、少しの「割合」の減少でも、大規模な「人数」の減少として図に反映される。しかしその場合、「割合」が小さいからといって、多くの職数が失われ、多数の失業者が出ている可能性があることに違いはない。 データは2007年1月からスタートしているが、すでにその時点でアメリカ南西部や五大湖周辺などで、職の減少傾向が見られることが確認できる。元記事のインタランティブ・マップを閲覧できればそちらで確認してほしいが、なにぶんにも非常に処理が重く、端末次第ではエラーが出て止まってしまう可能性があるのでご注意を。 |
2007年1月時点 |
この時点では前年同月比で職数が増加している(青色の円)郡が圧倒的で、赤色の円はまばらでしかない。しかも地域性があるのが分かる。「サブプライム・ローン」問題が表面化し、株価が急落した2007年8月になると、ぱっと見でも青い円の数が減り、赤い円が(大きさこそミニサイズだが)増加している様子が分かる。 |
2007年8月時点 |
これ以降、青い円の数は急速に減少・サイズも縮小化し、今まで赤円だった地点の円そのものの面積も広がってくる。太平洋岸のカリフォルニア州などは元々人口が多いため円も大きかったが、いつの間にか円が青から赤に変わっていく。 リーマンブラザーズ・ショックの2008年10月にもなると、カリフォルニア州の大きな赤い円や五大湖周辺の密集赤円などにより、多くの地域が赤く染まっている(=前年同月比で職数が減少している)のが確認できる。南部テキサス州や北東部の一部ではいまだに活気を見せているが、それらは今や少数派。 |
2008年10月時点 |
そして冒頭でも掲載した、直近データの2009年2月。もはやほとんどの地域で赤円だらけとなり、カリフォルニア州では非常に円が大きくなっていることや、五大湖・大西洋岸の北東部からフロリダ州にかけての人口密集地帯ではほぼ赤円で埋め尽くされている(職数が減っている)ことが一目瞭然。 |
2009年12月時点 |
元記事ではこれらの動きをフラッシュムービーで確認できるのだが、処理が非常に重く環境によってはトラブルを起こす可能性がある。そこでこちらでGIFアニメ化し、さらに各月の前年同月比における職数増減を折れ線グラフ化した。 |
2007年1月~2009年2月におけるアメリカ各郡の労働者数変移 |
アメリカ全土の労働者数(職数)変移(前年同月比の値、万人) |
時間の推移と共に連続した形で見ると、雇用の減退が全国に一斉に起きたのではなく、何か所かでの特異点が確認され、それらが少しずつ広がるように拡散していくようすが分かるはずだ。もちろん実際に雇用の減退が「感染」していくわけではないのだが、それぞれの企業は少なからぬ横の関係を持つことから「A社の経営が悪化して雇用数を減少」「A社と取引をしているB社も、A社の斜陽化を受けて業績悪化。雇用数減少で対応」という形で連鎖反応を示す可能性はある。何より、景気全体の悪化に対する耐久度の違いが地域特性(≒その地域に多い産業)、そして雇用減少のタイミングの差として現れるのだろう。 また、【20%超えの地域も! アメリカの失業率現況を図で見てみる】でも示したように、住宅バブルだった場所や工業地帯では早くから雇用数減少の傾向が見られることが分かる。工業地域については技術革新や作業の効率化、さらには行程そのものの海外への移行など多要因が考えられ、単純に「雇用数減少」=「全体の景気悪化」と断じることは難しいものの、その地域にとってはマイナスであることに違いはない。 ■関連記事: 【20%超えの地域も! アメリカの失業率現況を図で見てみる】 |
「バイ・アメリカン」条項とは?2009年02月04日 |
【2月4日
AFP】米上院が審議している総額8880億ドル(約80兆円)の景気対策法案に米国製品の購入を義務付ける「バイ・アメリカン(Buy
American)」条項が盛り込まれ、米国の貿易相手国などから反発の声があがっている。 同法案の第1604条は、「本法により資金提供または事業遂行が可能となる公共施設などの建設、改築、保守整備、修復などの公共事業には、米国で生産された鉄、鋼鉄、工業製品を使用しなければならない」と定めている。 一方、連邦政府、関係当局が以下の場合に相当すると判断した場合には、同条項は適用されないとしている。 - 「バイ・アメリカン」条項が、公共の利益と一致しない可能性がある - 鉄、鋼鉄、工業製品が米国製でなくても、十分な量の調達が可能で、高い品質を満たしている - 米国で生産された鉄、鋼鉄、工業製品を使用することで、事業の総コストが25%以上増加する 下院が前週可決した景気刺激法案では、「バイ・アメリカン」条項の適用を鉄と鋼鉄に限定しているが、上院で審議されている法案では、米国製品の使用義務を他の工業製品にまで拡大適用する内容となっている。(c)AFP |
バイ・アメリカン条項 自由貿易の終焉 |
第二次大戦後の世界経済は貿易の障壁をなくして、各国の産業を発展させる自由貿易の道で共産圏以外の国は豊かになってきた。そして。この自由貿易を梃子として、敗戦国の日本やドイツ、あるいは発展途上国を支える経済援助をしてきたのが米国であった。
それらの支援をもととして、それぞれに製品を作り自由貿易で利益を上げて、その金で米国の豊富な農産物や工業製品を買うことができた。かくして、米国は各国に経済援助をしたが、やがてはこれらの国が成長して米国のものを購入することで、富は還元されることとなった。
しかしながら、やがては、日独が復興して、米国の製品を上回るものを製造し始めると、もはや、米国から購入すべきものがだんだんと少なくなり、米国への富の還元量が減っていくこととなった。さらに、ベトナム戦争での戦費の増大によるインフレ、それによるドル不安が顕著となってきた。 そして1971年8月、アメリカのニクソン大統領はドルの金交換停止でドルの防衛策を発表した。これにより戦後の国際通貨制度を支えてきたブレトン・ウッズ体制は崩壊した。これはニクソン・ショックと呼ばれている。これ以降の米国経済は、目に見えるモノの生産活動の発展は止まり、カネそのものが商品であるという金融資本主義が発展していくこととなった。 その間にITバブルなどのいくつかの波をへて、現在の住宅バブル崩壊へと金融バブルの壊滅を迎えている。銀行や証券会社が機能不全となると、すでに足腰の弱まっている鉄や車の実体経済もがたがたと崩れ出そうとしている。そこで、自由貿易の旗手であった米国も、なりふり構わず保護貿易に転向して、米国議会でも景気対策法案にバイ・アメリカン条項を残すことが決められた。 戦後、米国の援助で経済発展を遂げてきた日本にとっては、いまさら米国との関係を切るという選択肢はないから、今後どのような協力関係を構築していくのか、迫られている。米国の波風の影響を受けやすい経済構造をどのように転換していけるのか、早急に対策を講じなければならない。 |
視点・論点「広がりゆく保護主義~その危険性と対応策~」慶應大学教授 渡邊 頼純 |
保護主義とは何から何を「保護する」のでしょうか。ごく簡単にいえば、それは外国の企業との国際競争から国内産業を守ることを言います。 保護主義の嵐は吹き荒れたことは人類の歴史の中で何回もあります。むしろ今のように自由貿易の時代の方が実は稀なのです。なかでも最も深刻で悲惨な保護主義の時代は1930年代でした。それこそ「100年に一度」の大恐慌が1929年10月にウォール街の株価大暴落という形で起こった後、世界は「列強」と呼ばれる大国による「経済ブロック」によって分断されてしまいます。この経済ブロックは各大国の通貨が優先的に流通する自給自足的な経済圏であったために、
アメリカを中心とする「ドル圏」、 英国ポンドを中心とする「スターリング圏」、 フランスの「フラン圏」(「金ブロック」とも呼ばれた)、 ドイツの「マルク圏」(形式的には「清算同盟」)、そして 日本の「日満支円圏」と呼ばれました。 これらの経済ブロックはお互いに自分のブロック内の産業を優先し、他のブロックからの輸入には高関税や数量規制、そして自国の通貨を切り下げて輸出競争力を無理やり強化する政策をとりました。このような政策は他国に失業を輸出し、不況を他国に押し付けることになるため、「近隣窮乏化政策」と呼ばれています。歴史的に高い関税率であったということで悪名高いアメリカの高関税「ホーレー・スムート関税」も1933年に制定されたものです。 さて保護主義とブロック経済は世界経済にどのような影響を与えたのでしょうか。キンドルバーガーというアメリカの経済学者はその著書『大不況の時代1929-1939年』の中で次のようなグラフを使って国際貿易が螺旋階段を駆け降りるように収縮していく様子を説明しています。保護主義は文字通り世界経済を破壊し、ブロック間の不和と敵対心を煽り、結局世界は第二次世界大戦への道をまっしぐらに進むことになります。保護主義は最初は窮余の策として歓迎されるかもしれませんが、中長期には戦争に至るほどたいへん危険な政策と言わざるを得ません。 皆さんご存知のように、現代の国際経済も大きな困難に直面しています。どこの国も自分の国だけはいち早く困難から抜け出したいと思い、政治家たちは政権を維持するために、あるいは政権を取るために「輸出は善、輸入は悪」といった考え方に固執し、自国経済優先、国際協調軽視の保護主義的政策への転換の誘惑にかられています。 昨年11月15日の金融サミットG20では「向こう1年間、輸出促進を含む保護主義的措置を取らないことを約束する」との宣言を出しましたが、既にG20の参加国であるロシアは自動車関税を25%から30%に引き上げましたし、中古自動車の輸入も制限する動きに出ました。中国も昨年12月に豚肉の関税を6%から12%に引き上げるなど、WTOで許容される水準まで関税を引き上げ始めました。インドもインフレ抑制の経過措置として無税になっていた大豆油、鉄鉱石・鉄鋼製品などの関税をそれぞれ20%、5%に引き上げました。保護主義的措置は関税引き上げだけには留まりません。インドネシアは電気電子製品、衣服、履物、玩具など5分野529品目について、輸入業者登録を義務付けるとともに、輸入港を5つの港と国際空港に限定する商業大臣令を発表しました。アメリカも公共事業などにアメリカ製の鉄鋼・工業製品の使用を義務付ける「バイ・アメリカン条項」を今年2月17日に成立した景気刺激法において規定しています。また、金融安定化法に基づく政府からの支援を受け入れた企業に対し、専門職の採用に当たってはアメリカ人の優先雇用を求める「ハイヤー・アメリカン条項」も導入されました。 |
階級戦争・侵略戦争と対決を |
このような中で米帝オバマは、労働者に対する階級戦争と、アフガン・イラクなどへの侵略戦争によって生き延びようとますますあがいている。 |
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